寄生虫名 Loma sp.(ローマ)
分類学 微胞子虫門、微胞子虫綱、微胞子虫目
宿主名 アマゴ(Oncorhyncus masou
病名 微胞子虫性鰓病
寄生部位
肉眼所見 鰓に球状のキセノマ(宿主細胞と寄生虫の複合体)が多数観察される(写真12)。
寄生虫学 キセノマ内部に多数の胞子が形成される(写真3)。胞子は洋梨型で長さ約4.5 μm、幅約2.3 μm
病理学 鰓弁の肥厚や棍棒化が見られる。
人体に対する影響 人間には寄生しないので、食品衛生上の問題はない。
診断法 キセノマをつぶしてウェットマウントで胞子を確認する。標本はスメアにしてUvitex 2B染色し、蛍光顕微鏡で観察する。染色された胞子は、紫外光で青い蛍光を発する。
その他の情報 海外において、サケ科魚類、特にマスノスケ(Oncorhynchus tshawytscha)とギンザケ(O. kisutsh)の養殖に大きな被害を与えているLoma salmonaeによく似ている。日本でも、北海道のサクラマスにL. salmonaeが見つかったとの報告があるが、厳密には同種かどうかの確認はなされていない(粟倉ら, 1982)。本種についても、形態学的にはL. salmonaeに一致するが、種の同定には到っていない。
参考文献 粟倉輝彦・田中 真・吉水 守 (1982): サクラマスの寄生虫に関する研究 IV. 鰓に寄生する微胞子虫Lomaについて. 水産孵化場研究報告, 37, 49-55.

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写真3.Loma sp.の胞子。

(写真提供者:青島秀治(1,2))

写真2.キセノマの拡大。

写真1.アマゴの鰓に形成された多数のキセノマ.